3つの規格の位置づけ
ISO9001・IATF16949・FSSC22000は、いずれも品質マネジメントシステムに関わる国際規格ですが、対象とする業種と要求範囲が異なります。
| 規格 | 対象業種 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ISO9001 | 業種を問わず適用可能 | 品質マネジメントシステムの基礎となる、業種横断的な国際規格 |
| IATF16949 | 自動車産業(部品サプライヤーを含む) | ISO9001をベースに、自動車業界特有の要求(コントロールプラン、PPAP等)を追加した規格 |
| FSSC22000 | 食品関連産業 | ISO22000(食品安全マネジメント、HACCPの考え方を体系化)に前提条件プログラムを組み合わせた認証スキーム |
共通しているのは、いずれも「ISO9001的な品質マネジメントの枠組みをベースに、業種特有の要求事項を積み重ねている」という成り立ちです。ISO9001の考え方(PDCAサイクル、文書管理、内部監査など)を理解しておくと、業種特化規格の理解もしやすくなります。
自社に必要な規格の見極め方
自社がどの規格の認証取得を検討すべきかは、基本的に取引先からの要求によって決まります。
- 自動車メーカー・Tier1サプライヤーとの取引を拡大したい場合 → IATF16949が要求されることが多い
- 大手食品メーカー・小売業者との取引を拡大したい場合 → FSSC22000などGFSI承認スキームが要求されることが多い
- 特定業種を問わず、幅広い取引先に品質管理体制を示したい場合 → まずISO9001から検討されることが多い
複数の規格を同時に維持する企業も少なくありませんが、規格ごとに求められる記録・文書が増えるため、管理の負荷も相応に高まります。
複数規格を運用する際の実務上のポイント
複数の規格に対応する場合、規格ごとに別々の手順書・記録を作成すると、同じ作業について異なる文書が複数存在するという非効率が生じがちです。共通する部分(基本の作業手順、教育記録の仕組みなど)は一元化し、規格固有の要求事項だけを追加で管理する設計にすることで、運用負荷を抑えられます。
まとめ
ISO9001・IATF16949・FSSC22000は、いずれもISO9001的な品質マネジメントの考え方を土台に、業種特有の要求事項を積み重ねた規格です。自社に必要な規格は主に取引先からの要求によって決まり、複数規格を運用する場合は共通部分の一元化が実務負荷を抑える鍵になります。