樹脂成形で発生しやすい代表的な不良

射出成形をはじめとする樹脂成形工程では、成形条件・金型・材料・作業のいずれかに起因して、次のような不良が発生します。

  • ヒケ: 肉厚部の冷却収縮によって表面がへこむ現象
  • ソリ(反り): 冷却時の収縮ムラにより製品が変形する現象
  • ウェルドライン: 複数方向から流れてきた樹脂が合流する部分にできる線状の跡
  • バリ: 金型の合わせ目からはみ出た余分な樹脂
  • シルバーストリーク: 材料中の水分・ガスが原因で表面に生じる銀条痕

これらの不良は成形条件(温度・圧力・速度)の調整で改善できる場合が多い一方、段取り・材料管理・検査という作業側の運用が不良の発生・見逃しに関わっているケースも少なくありません。

作業側で標準化すべきポイント

1. 段取り(型替え)の標準化

金型交換・条件出しの段取りが作業者ごとにばらつくと、立ち上げ直後の不良率が安定しません。型替え時の確認項目・条件設定値・初品確認の手順を標準作業として明文化し、誰が担当しても同じ手順で立ち上げられるようにすることが重要です。

2. 材料管理の標準化

樹脂材料は吸湿によって物性が変化しやすく、乾燥条件・保管方法・使用期限の管理が不十分だと、シルバーストリークなどの不良につながります。材料のロット管理・乾燥条件・投入前の確認手順を標準化し、作業者の判断に依存しない運用にすることが有効です。

3. 目視検査の標準化

ヒケ・ウェルドライン・バリといった外観不良の判定基準が作業者ごとにばらつくと、同じ製品でも合格・不合格の判断が変わってしまいます。限度見本や写真付きの検査基準書を整備し、判定基準を明確にすることで、検査精度のばらつきを抑えられます。

不良の原因を作業側から切り分ける

不良が発生した際、「成形条件が原因か」「作業のばらつきが原因か」を切り分けるには、成形条件のデータだけでなく、誰が・どのタイミングで・どう段取りしたかという作業側の情報も必要です。作業の様子を動画で記録しておくことで、不良発生時の条件と作業内容を照らし合わせて原因を特定しやすくなります。

標準化した段取り・検査の手順を、作業動画をもとに手順書化しておけば、新人教育の際にも同じ基準で技能を伝えられます。

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まとめ

樹脂成形の不良低減は、成形条件の調整だけでなく、段取り・材料管理・検査という作業側の標準化も重要な要素です。作業のばらつきを記録・標準化することで、不良原因の切り分けと再発防止の精度を高められます。